よくあるご質問

補聴器と集音器は同じものですか?

補聴器と集音器は、見た目が良く似ていて、両者とも音を大きくする事ができるので、同じ物だと思われがちですが、実は大きく違います。

違いその1 「医療機器として認定されているかどうか」
補聴器は、厚生労働省から正式に医療機器として認定されている製品です。「薬事法」における高度管理医療機器として指定されているため、効果や安全性などについて一定の基準をクリアする必要があります。製造メーカーは、個別の製品ごとに正式な認定を受けなければ、補聴器を製造販売することができません。一方、集音器は医療機器ではありません。

違いその2 「使用者に合わせた調整が可能か」
難聴の程度や特長はその人によってさまざまで、ひとくくりにする事ができません。快適な聞こえを実現するには、難聴の方ひとりひとりに合った調整を行う必要があります。どの周波数の音をどれだけ増幅すれば良いか、出力はどの程度が丁度良いか、雑音はどの程度抑えるか・・・・など、調整を行う必要のあるポイントはとても沢山あります。補聴器は、価格によって機能・性能に違いはありますが、基本的に難聴者のニーズに応えられるよう、その人それぞれに合わせて音の調整をする事が可能です。また、調整も一度きりで終わるのではなく、聴力の変動やご希望に合わせて調整を重ねる事が前提の製品です。一方、集音器は一般的には使用者に合わせた音の調整が前提ではありません。全体の音量調節(ボリューム)や簡易な音質調整はついている製品が多いようですが、難聴者それぞれの聴こえに合わせて調整する製品ではないと考えた方が良いでしょう。

違いその3 「販売方法の違い」
補聴器は、その人その人に合った音を作り、調整を重ねる事が前提です。買ったらそれで終わりという製品ではないため、販売も専門店や専用コーナーを設けているお店での対面販売が基本となっています。購入する際には、専門のスタッフによるカウンセリングや聞こえのチェックを行い、購入者の聴力や生活環境に合わせて補聴器を調整します。また、購入した後も、調整を重ねる事で、より自分の耳に合った音を作り上げていきます。一方、集音器の場合は管理医療機器でなく、難聴者それぞれの聴力に合わせる製品ではないため、通信販売や電気店で購入する事が可能です。

最後に・・・
補聴器と集音器には、上記のような違いがあります。見かけは似ていても、性質の違う製品だという事がお解りいただけたでしょうか。実際に集音器をお使いで、効果を感じる方もいらっしゃるので、補聴器と集音器のどちらがいいという事はありません。大切なのは両者の違いをしっかり理解した上で、製品を検討するという事です。そして何よりも、聴こえに不自由や違和感を感じたら、まずは耳鼻科の専門医に相談をし、適切なアドバイスを受ける事が大切です。